第9回|窓口提出前に準備しておくもの一覧
こんにちは。社会保険労務士の菅野です。
このシリーズでは、障害年金の手続きをご自身やご家族で行われる方が、障害年金手続きの全体像や手順、各作業においての注意点が分かるように、全12回で解説しています。
前回・前々回と、病歴・就労状況等申立書について解説を行いました。
これまでの回で、障害年金請求で特に重要な3つの書類、受診状況等証明書・診断書・病歴・就労状況等申立書について理解が深まったかと思います。
これらの書類が揃ったら、いよいよ窓口で最終的な障害年金請求手続きを行うことになります。
ただし、障害年金請求手続きには、状況に応じて必要となる添付書類がいくつかあります。
提出直前で慌てないように、あらかじめ準備しておくことが大切です。
そこで第9回の今回は、「障害年金の請求手続きに必要な添付書類」について整理して解説します。
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まず大前提:添付書類は「状況によって複雑」になります
添付書類は、すべての方に共通するものもありますが、家族状況や年金の種類、加算対象の有無、住民票の状態などによって必要な書類が変わります。
年金事務所等の相談窓口から事前案内がある場合は、必ず指示をよく聞いて準備をしてください。
ここではまず、ほとんどの方に共通する添付書類から紹介します。
【1】単身の方(配偶者・子なし)の基本的な添付書類
① 年金振込を希望する口座通帳の写し
まず必要となるのが、年金の振込先となる口座通帳の写しです。
添付が必要な情報は、以下のとおりです。
- 金融機関名
- 支店名
- 口座の種類(普通/当座)
- 口座番号
- 口座名義(カナ氏名)
紙の通帳の場合は、開いて1枚目(口座情報が載っているページ)をコピーすれば、ほとんどの場合で情報が揃います。
もし通帳がなくキャッシュカードしかない場合は、口座の種類の記載がないことが多いですが、
その場合はコピーの余白などに「普通口座」で問題ない旨を記載すれば足ります。
注意点:年金は「普通預金」または「当座預金」の口座にしか振り込めません。
貯蓄型預金口座などは対象外ですので注意しましょう。
通帳コピーの代わりに金融機関証明を受ける方法もある
請求書の1ページ目には、金融機関から証明を受ける欄が設けられている場合もありますが、
実務上は手間がかかるため、通帳コピーを添付する方法が現実的です。
ネットバンキング(オンライン口座)について
銀行・信用金庫・JAバンク・ゆうちょ銀行など、ほぼすべての金融機関が利用できます。
オンライン口座も対応可能な場合が多いですが、ネットバンキングは対象金融機関が限られるため、窓口や案内資料で確認しましょう。
② 障害者手帳をお持ちの場合は手帳の写し
身体・精神・療育などの障害者手帳をお持ちの方は、手帳の写しを添付します。
③ マイナンバーの確認書類と本人確認書類
障害年金請求書にマイナンバーを記載する場合、
- 番号が確認できる書類
- 本人確認書類
の添付が必要です。
マイナンバーカードをお持ちであれば、それ1枚で完結します。
マイナンバーカードがない場合は、以下の組み合わせが必要になります。
- 番号確認書類:マイナンバー入り住民票/通知カード など
- 本人確認書類:免許証/パスポート/障害者手帳 など
注意点:通知カードは、引っ越し等で住所・氏名が本人確認書類と一致していない場合は使用できません。
マイナンバーが分からない場合
マイナンバーが分からない場合でも、基礎年金番号で手続きすることは可能です。
ただしその場合は、住民票や所得証明書などが必要になることがありますので、窓口で事前確認しましょう。
【2】加算対象の配偶者・子がいる場合に必要な書類
加算がつくのは次のようなケースです。
障害基礎年金の場合(子の加算)
- 生計維持関係がある「18歳の年度末までの子」
- または、障害状態にある「20歳までの子」
障害厚生年金(2級以上)の場合(子+配偶者の加算)
- 生計維持関係がある子
- 生計維持関係がある配偶者
これらの加算対象者がいる場合は、生計維持関係の確認のために以下の書類が必要になります。
- 戸籍謄本
- 世帯全員分の住民票
- 加算対象者の所得証明書
平成29年4月以降の手続きでは、マイナンバーを記載することで住民票や所得証明書を省略できるケースがあります。
ただし、戸籍謄本は現時点では省略できないため、必ず取得が必要です。
戸籍謄本には有効期限があるので注意
戸籍謄本は取得したらいつでも使えるというわけではなく、有効期限があります。
- 障害認定日請求:障害認定日以後、請求日以前6か月以内のもの
- 事後重症請求:請求日以前1か月以内のもの
本籍地が遠方の場合は郵送取得も可能ですので、本籍地のある市区町村役場に確認してみましょう。
配偶者・子のマイナンバーの添付について
配偶者や子のマイナンバーについては、番号確認書類や本人確認書類の添付は不要です。
ただし、マイナンバーを記載しない場合は、住民票や所得証明書などの添付が必要となる場合があります。
マイナンバーを使用しないだけで書類が増えてしまうことも多いため、基本的にはマイナンバーを記載することをおすすめします。
家族のマイナンバーが分からない場合は、マイナンバー入りの住民票を取得すれば全員分を確認できます。
また、障害基礎年金の請求書には配偶者の基礎年金番号を記載する欄がありますので、事前に確認しておきましょう。
こちらは添付書類は不要です。
【3】世帯が分かれている・別居している場合(生計同一関係の注意)
次のようなケースでは、追加で対応が必要になります。
- 単身赴任などで別居している
- 住所は同じだが世帯を分けている
- 住民票上は別居だが、実際は同居している
このような場合は、「生計同一関係に関する申立書」を作成し、事情を説明する必要があります。
また、別居状態や住民票が別になっている場合には、原則として第三者による証明が求められることがあります。
ただし、第三者証明は手間がかかるため、
- 健康保険の扶養
- 給与の扶養手当
- 税法上の扶養
など、扶養関係が確認できる書類を添付することで省略できることもあります。
【4】配偶者が「事実婚(内縁)」の場合
配偶者については、事実婚(内縁)であっても加算の対象になります。
この場合は、
- それぞれの戸籍謄本
- (マイナンバーを記載しない場合)世帯全員分の住民票・所得証明書
- 事実婚関係及び生計同一関係に関する申立書
などを提出し、共同生活の実態があることを申し立てます。
また、世帯を分けている・別居している場合は、第三者証明や内縁関係の事実を確認できる書類が必要となることがあります。
審査側で事実婚状態にあると認められれば、配偶者加算が認められる流れになります。
まとめ:ほとんどの方は「通帳・手帳・マイナンバー・戸籍謄本」
ここまで様々なケースに分けて添付書類をご紹介しましたが、
実際にはほとんどの方は、以下の書類を準備すれば足ります。
- 年金振込口座通帳の写し
- 障害者手帳の写し(お持ちの方)
- 本人のマイナンバーカード(または番号確認書類+本人確認書類)
- 戸籍謄本(加算対象がある場合)
- 家族のマイナンバー(加算対象がある場合)
ただし、世帯状況や別居、事実婚などがある場合は書類が増えることもあります。
ご自身の手続きでどの添付書類が必要になるかは、必ず事前に窓口で確認してから最終手続きに臨むようにしましょう。
次回【第10回】は、窓口で作成する請求書類について解説します。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。






