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障害年金の手続き|請求手続きで出てくる書類一覧と注意点

第10回|請求手続きで出てくる書類一覧と注意点

こんにちは。社会保険労務士の菅野です。

このシリーズでは、障害年金の手続きをご自身やご家族で行われる方が、障害年金手続きの全体像や手順、各作業においての注意点が分かるように、全12回で解説しています。

前回は、障害年金の請求手続きに必要な添付書類について解説しました。
そしていよいよ、年金事務所などの窓口で最終的な障害年金請求手続きを行う段階に入ります。

第10回の今回は、窓口で提出する障害年金の請求書類について解説します。

なお、この記事では「書き方そのもの」の解説は行いません。
窓口(年金事務所・街角の年金相談センター)では、どこに何を書けばよいかを事細かに案内してくれますので、
ここではどんな書類が出てくるのかを事前に把握できるよう、一覧として整理してご紹介します。


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窓口で提出する「請求書類」は人によって変わります

障害年金の請求では、全員共通の書類に加えて、

  • 請求方法(認定日請求/事後重症請求/遡及請求)
  • 初診日が古いかどうか
  • 事故・労災などの有無
  • 住所(住民票と居住地)が一致しているか
  • 他の年金の受給状況

などによって追加で必要書類が発生します。

ここからは、窓口で案内される可能性がある書類を順番にご紹介します。


【1】基本となる「年金請求書」

まず、障害年金請求の基本となるのが年金請求書です。

請求書は、

  • 障害厚生年金
  • 障害基礎年金

で様式が異なります。

ご自身の手続きに該当する請求書が窓口で案内されますので、案内に従って記載します。


【2】年金生活者支援給付金請求書

次に、年金生活者支援給付金請求書です。

年金生活者支援給付金は、簡単にいうと2級以上の障害年金を受給される方に支給される給付金です。

この請求は、障害年金が決定してから提出するのではなく、障害年金の請求手続きと同時に提出します。

そのため、提出しても結果として3級以下になった場合などは、給付金について不支給決定通知が届きます。

なお、はじめから3級になる可能性が高いと分かっているケース(人工関節など)でも、状態によって2級になる可能性がゼロではありません。
審査がある以上、形式的に提出が必要になりますので、面倒でも記載して提出するようにしましょう。


【3】遡及請求をする場合:請求事由確認書

障害認定日から1年以上経過してから障害認定日請求を行う、いわゆる遡及請求を行う場合には、請求事由確認書を提出します。

この書類は、

過去に遡って審査してもらうが、もし認定日時点では認められない場合は、事後重症請求として現在分からでも認めてほしい

ということを事前に申し出る書類です。

遡及請求を行う場合には、形式的に必ず必要となります。


【4】遡及請求で現在の方が重い場合:額改定請求書

額改定請求書は、必ず提出しなければならない書類ではありません。

そのため、窓口でもこちらから言わないと案内されないことも多い書類です。

どんなときに必要?

遡及請求では、

  • 認定日時点の診断書
  • 現在分の診断書

の2枚を提出します。

このとき、過去より現在のほうが症状が重い場合、
認定日時点は3級、現在は2級といった認定になる可能性があります。

しかし、認定の結果が「認定日時点3級、現在も3級」のように同じ等級になる場合もあります。

ここで、もし現在の等級結果に納得がいかなかったとしても、額改定請求書を提出していない場合は、現在分の等級について審査請求ができません。

このパターンで「不服申立てをしたい」という相談はとても多いのですが、
たいていの方は額改定請求書を出していないため、審査請求そのものができず、
改めて診断書を取得して額改定請求をするしか選択肢がなくなってしまいます。

「額改定を行わない決定通知」が届くことがある

額改定請求書を提出すると、望んだ認定(例:過去3級、現在2級)になったとしても、
ほぼ間違いなく「額改定を行わない決定通知」が届きます。

これは審査上の仕組みによるものですが、通知を見てショックを受ける方が非常に多いです。
落ち着いて、ご自身の現在の等級がどう決定されたのかは窓口へ確認するようにしましょう。

認定日時点と現在で重さが大きく違う場合は、額改定請求書の提出について窓口で相談することをおすすめします。


【5】5年以上前の遡及請求をする場合:遅延に関する申立書

年金を受け取る権利は、権利が発生してから5年が経過すると時効によって失われます。

ただし、特段の事情がある場合は、その理由を申し立てることで権利喪失を免れることがあります。

そのため、5年以上遡って認定日請求(遡及請求)を行う場合は、年金裁定請求の遅延に関する申立書を提出します。

遅れた理由は深く考えすぎず、一般的には
「年金を請求することができると知らなかった」を選択すれば問題ありません。


【6】第三者行為・労災の場合:事故状況届・確認書・同意書

障害の原因が、事故など第三者からの行為による場合や労災の場合には、次の書類が必要です。

  • 第三者行為事故状況届
  • 確認書
  • 同意書

交通事故・鉄道事故・事件など第三者の行為によって障害を負った場合、
相手方から損害賠償が支払われる可能性があります。

このときは障害年金との調整が行われるため、事故内容や賠償状況を確認する必要があります。
そのため、年金側が調査することや調整に同意することを、書類として提出します。

交通事故の場合の注意点

  • 交通事故証明書の添付が必要
  • 交通事故証明書は5年経過で交付が受けられない
  • 交付不可の場合は新聞記事など代替資料を添付する
  • 自損事故でも書類提出が必要

損害賠償を受け取っている場合や内容が決まっている場合は、金額や内訳が分かる書類のコピーも添付します。


【7】住民票住所と異なる場所に住んでいる場合:居所登録届

住民票住所と異なる場所に住んでいて、通知等を実際の居住地に届けてほしい場合は、年金受給権者住所変更・居所登録届を提出します。

裁定請求書には実際の住所を記載し、この届書を提出することで、障害年金関係の通知等の送付先を変更できます。


【8】20歳前障害(基礎年金)で5年以上遡る場合:所得の申立て

20歳前に初診日がある障害基礎年金では、所得が一定以上あると年金が停止されるため、年度ごとに所得確認が必要になります。

ただし、所得証明書の交付やマイナンバーで確認できるのは過去5年度分です。

そのため、5年以上前に遡って認定日請求をする場合は、5年以上前の所得について、おおよその金額を申し出る必要があります。

年度ごとに詳細に申し出る必要はなく、

  • 「認定日のある年度以降、現在まで無職無収入でした」
  • 「給与収入のみで、おおよそ年収200万円程度でした」

といった形で大丈夫です。

時効により支払い対象にならない年度分でも、形式的に申立てが必要になる場合がありますので、窓口の指示に従って作成しましょう。


【9】他の年金を受給している場合:選択申出書

障害年金以外に、

  • 老齢年金
  • 遺族年金
  • 他の傷病での障害年金

などを受給している場合は、どの年金を受け取るか選択が必要になるため、選択申出書を提出します。


【10】先天性疾患などの場合:初診日に関する調査票

先天性股関節疾患や、網膜色素変性症などの先天性の眼疾患、先天性の耳の病気などで請求する場合は、障害年金の初診日に関する調査票を提出することがあります。

ご自身で判断するのは難しいため、窓口から必要と言われた場合は指示に従って作成しましょう。


最後に:窓口の指示に従っても「書いたのは自分」です

ここまで様々なケース別の書類をご紹介しましたが、基本的には窓口で言われるがままに記載すれば大丈夫です。

ただし、これだけは必ず覚えておいてください。

たとえ指示された通りに書いても、実際に記載して提出したのは「ご自身」です。
つまり、それはご自身の意思でその請求手続きを行った、という扱いになります。

たとえば、遡及請求をするつもりだったのに、窓口の指示のまま事後重症請求に丸をつけて提出してしまえば、
当然、遡及して認定されることはありません。

この状態で「遡及できなかったので審査請求をしたい」と相談を受けることがありますが、
残念ながら、事後重症請求を自分でしている以上、審査請求はできません。

提出後の審査の過程で、書類の訂正を指示される場合も同様です。
指示されても、必ず訂正しなければならないとは限りません。

訂正に納得できない場合は、その場で協議し、必要に応じてそのまま審査を受ける選択も可能です。

請求書類は基本的には言われるがまま書いて大丈夫ですが、
納得できない点があれば必ず確認し、話し合ったうえで記載して提出しましょう。


まとめ

今回は、窓口で提出する障害年金の請求書類について、代表的なものを一覧としてご紹介しました。

状況によって提出書類は変わりますが、基本は窓口で丁寧に案内してくれますので、指示に従って準備すれば大丈夫です。

ただし、提出した内容は「ご自身の意思で提出したもの」として扱われます。
納得できない点は必ずその場で確認し、納得したうえで手続きを進めるようにしてください。

次回【第11回】は、障害年金の審査期間について解説します。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

2025年12月31日 10:00
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