障害年金の等級と制度の基本
発達障害(自閉スペクトラム症・ASD、注意欠陥多動性障害・ADHD、学習障害・LDなど)は、精神の障害として障害年金の認定対象です。検査数値ではなく、社会性やコミュニケーションの困難によって日常生活にどれだけ支障が出ているかを中心に総合的に判定されます。
発達障害|等級の目安
障害認定基準では、発達障害の各等級に相当する状態が次のように例示されています。
等級判定ガイドラインによる「目安」
発達障害も、他の精神の障害と同じく「精神の障害に係る等級判定ガイドライン」にもとづいて判定されます。
①診断書の2つの評価
精神の障害用の診断書には、日常生活能力の判定(7項目・4段階)と日常生活能力の程度(5段階)という2つの評価があります。判定の7項目は「適切な食事/身辺の清潔保持/金銭管理と買い物/通院と服薬/他人との意思伝達及び対人関係/身辺の安全保持及び危機対応/社会性」で、これを4段階(1〜4点)で評価した平均点と、全般的な制限の程度(1)〜(5)の組み合わせで、等級の目安が決まります。いずれも「単身で生活するとしたら可能かどうか」を想定して評価されます。
②障害等級の目安表
③発達障害で特に考慮されるポイント
認定の方法・申請のポイント
大人になってから診断された場合の初診日
発達障害は生まれつきの特性ですが、認定基準では「知的障害を伴わない発達障害で、20歳以降に初めて受診した場合は、その受診日が初診日」とされています。会社員として厚生年金に加入している間に初めて受診した場合は、3級まである障害厚生年金の対象になり得ます。なお、知的障害を伴う場合は知的障害と同様に出生日が初診日として扱われ、20歳前障害基礎年金の対象となります。
うつ病などの二次障害がある場合
発達障害と他の精神疾患(うつ病・不安障害など)が併存しているときは、別々に認定(併合)するのではなく、諸症状を総合的に判断して認定するとされています。二次障害による生活の支障も含めて評価されます。
診断書のポイント
精神の障害は「精神の障害用の診断書」を使用します。等級判定に直結するのは次の点です。
よくあるご質問
Q大人になってから発達障害と診断されました。申請できますか?
A申請できます。知的障害を伴わない発達障害で20歳以降に初めて受診した場合は、その受診日が初診日となります。厚生年金加入中の受診であれば、3級まである障害厚生年金の対象になり得ます。
Q大学を卒業していて、IQも平均以上です。対象になりますか?
A認定基準には、知能指数が高くてもコミュニケーション能力の障害により日常生活に著しい制限を受けることに着目して認定すると明記されています。学歴やIQだけで判断されるわけではありません。
QADHDだけの診断でも対象になりますか?
A注意欠陥多動性障害(ADHD)も認定基準に定める発達障害に含まれます。不注意や衝動性により日常生活・就労にどれだけ支障が出ているかがポイントになります。
Qうつ病も併発しています。どちらで申請すべきですか?
A発達障害と他の精神疾患が併存する場合は、別々ではなく諸症状を総合的に判断して認定されます。二次障害の症状も含めて診断書に反映してもらうことが重要です。
Q障害者雇用で働いています。もらえませんか?
A障害者雇用での就労は「1級または2級の可能性を検討する」とガイドラインに明記されています。働いていることだけを理由に不支給になるわけではありません。
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関連ページ
出典:日本年金機構「国民年金・厚生年金保険 障害認定基準」第8節 精神の障害(令和4年4月1日改正版)、厚生労働省「精神の障害に係る等級判定ガイドライン」(平成28年9月施行)。本ページは公式基準にもとづく一般的な解説です。実際の等級は診断書等をもとに日本年金機構の審査により判定されます。








