障害年金の等級と制度の基本
神経系統の障害は、脳や脊髄、末梢神経などの障害により生じるもので、パーキンソン病・脊髄小脳変性症・多発性硬化症・ALS(筋萎縮性側索硬化症)・脳血管障害の後遺症などが含まれます。手足の動きの障害が中心となることが多く、その大半は「肢体の障害」の基準・肢体の障害用の診断書で手続きします。症状によっては、認知機能の低下は精神の障害(高次脳機能障害)、てんかん発作は精神の障害(てんかん)など、近い基準で認定され、複数あれば併合されます。
神経系統(肢体)の障害|等級の目安
肢体の機能の障害は、関節可動域・筋力・巧緻性・速さ・耐久性を考慮し、日常生活における動作の状態から身体機能を総合的に認定します。
パーキンソン病の進行度を示す指標として「ホーン・ヤール(Hoehn&Yahr)の重症度分類」と「生活機能障害度分類」が広く用いられます。認定基準とは別の指標ですが、目安としてヤール3〜5程度で認定基準に該当する可能性が考えられます。ただし、等級は分類の数値ではなく実際の日常生活動作の制限の程度で判定されます。
パーキンソン病|審査は「オン時」を中心に評価されます
パーキンソン病の申請で最も注意が必要なのが、審査は原則として「オン時(服薬して症状が抑えられている状態)」を基準に評価されるという点です。薬が効いているオン時と、効果が切れたオフ時で症状が大きく変動しますが、オフ時の状態だけを記載した診断書を提出しても、日本年金機構から「オンの状態での記載をお願いします」と照会が入る場合があります。
オフ時・変動は「申立書」等で補足します
オン時の状態が審査の基準になる一方で、オフ時にどれだけ動けなくなるか、1日のうちオフの時間がどれくらいあるか、オン時間が短くなってきていることも、症状の全体像を伝えるうえで重要です。これらは診断書の該当欄に加えて、病歴・就労状況等申立書で具体的に補足し、生活実態が伝わるようにします。診察時は薬が効いていることが多いため、ご家族の同行やオフ時の動画などで、医師に実際の状態を理解してもらうことも有効です。もちろん、診断書上にもオフ時の状態につい記載をしてもらうようにしましょう。
認定の方法・申請のポイント
進行性の難病の場合
ALS・脊髄小脳変性症・多発性硬化症などの進行性の難病は、進行に伴い症状が変化します。現在の状態を正確に反映した診断書での早めの申請が大切です。嚥下障害・呼吸障害などを併発すれば、それぞれの基準での認定も検討します。
診断書様式の選択に注意
神経系統の疾患は症状が多岐にわたるため、どの診断書様式を使うかの見極めが重要です。手足の障害が中心なら肢体の障害用、認知機能の低下が中心なら精神の障害用、というように、症状の中心に応じて選びます。複数の障害がある場合は、それぞれの診断書を用意して併合を検討します。
診断書のポイント
神経系統(肢体)の障害は、多くの場合「肢体の障害用の診断書」を使用します。
よくあるご質問
Qパーキンソン病です。薬が効いている時は動けますが、切れると動けません。
A審査は原則としてオン時(薬が効いている状態)を主に評価されます。オフ時だけを記載した診断書には「オンの状態で記載を」と照会が入る運用があるため、オン時にも残る支障を反映してもらうことが重要です。オフ時の状態やオン時間の短縮は、あわせて申立書などで補足します。
Qパーキンソン病は何の障害で申請しますか?
A手足の動きの障害が中心となるため、多くは「肢体の障害」の基準・肢体の障害用診断書で申請します。認知機能の低下やその他の症状を伴う場合は、それぞれの基準での認定も検討します。
QALSと診断されました。
AALSは進行性のため、現在の状態を正確に反映した診断書での早めの申請が大切です。嚥下障害・呼吸障害などを併発すれば、それぞれの基準での認定も検討します。
Q手足の麻痺と、もの忘れの両方があります。
A手足の麻痺は肢体の障害、認知機能の低下は高次脳機能障害など、症状に応じた基準で認定し、併合してより上位の等級を目指せる場合があります。症状全体を整理してご相談ください。
Q診察の時はいつも調子が良く見えてしまいます。
A診察時は薬が効いているオン時であることが多く、医師が最も良い状態しか見ていない場合があります。ご家族の同行やオフ時の動画、日常生活の困りごとをまとめたメモを医師に渡すことで、実態に沿った診断書につながります。
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関連ページ
出典:日本年金機構「国民年金・厚生年金保険 障害認定基準」第7節 肢体の障害・第9節 神経系統の障害。本ページは公式基準および日本年金機構の運用にもとづく一般的な解説です。実際の等級は診断書等をもとに日本年金機構の審査により判定されます。








