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精神の障害|てんかん

てんかんの認定基準
障害年金の等級の目安と認定のポイント

てんかんの治療を続けても発作が残っている方は、障害年金の対象になる可能性があります。等級は発作の型(A〜D)と頻度に加え、発作のない期間の症状も考慮して判定されます。このページでは、認定基準にもとづく等級の目安、発作の記録の残し方など申請のポイントを、障害年金を専門に扱う社会保険労務士が解説します。

障害年金の等級と制度の基本

てんかんは精神の障害(第8節)として認定されます。等級は、発作の型(タイプ)と頻度、そして発作間欠期(発作のない期間)の精神神経症状や認知障害により、日常生活の支障を総合して判定されます。

てんかん|発作の型(タイプ)

認定基準では、てんかん性発作を次の4タイプに区分しています。

てんかん性発作の4タイプ
A 意識障害を呈し、状況にそぐわない行為を示す発作
B 意識を失い、行為が途絶するが、倒れない発作
C 意識を保ちつつ、随意運動が失われる発作
D 意識障害の有無を問わず、転倒する発作

てんかん|等級の目安

てんかんの等級の例示
1級 十分な治療にかかわらず、てんかん性発作のA又はBが月に1回以上あり、かつ、常時の援助が必要なもの
2級 十分な治療にかかわらず、てんかん性発作のA又はBが年に2回以上、もしくは、C又はDが月に1回以上あり、かつ、日常生活が著しい制限を受けるもの
3級 十分な治療にかかわらず、てんかん性発作のA又はBが年に2回未満、もしくは、C又はDが年に2回以上あり、かつ、労働が制限を受けるもの(障害厚生年金のみ)
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「十分な治療にかかわらず」が前提です。認定基準では、服薬や外科的治療により発作が抑制されている場合は、原則として認定の対象になりません。一方で、発作間欠期にも精神神経症状や認知障害が持続することを考慮して認定するとされており、発作の頻度だけで機械的に判断されるわけではありません。

等級判定ガイドラインによる「目安」

てんかんも精神の障害用診断書を用いるため、「精神の障害に係る等級判定ガイドライン」の対象です。

診断書の2つの評価

精神の障害用の診断書には、日常生活能力の判定(7項目・4段階)日常生活能力の程度(5段階)という2つの評価があります。判定の7項目は「適切な食事/身辺の清潔保持/金銭管理と買い物/通院と服薬/他人との意思伝達及び対人関係/身辺の安全保持及び危機対応/社会性」で、これを4段階(1〜4点)で評価した平均点と、全般的な制限の程度(1)〜(5)の組み合わせで、等級の目安が決まります。いずれも「単身で生活するとしたら可能かどうか」を想定して評価されます。

障害等級の目安表

障害等級の目安(判定平均 × 程度)
3.5以上 程度(5)→ 1級/程度(4)→ 1級または2級
3.0〜3.5未満 程度(5)→ 1級または2級/程度(4)→ 2級/程度(3)→ 2級
2.5〜3.0未満 程度(4)→ 2級/程度(3)→ 2級または3級
2.0〜2.5未満 程度(4)→ 2級/程度(3)→ 2級または3級/程度(2)→ 3級または3級非該当
1.5〜2.0未満 程度(3)→ 3級/程度(2)→ 3級または3級非該当
1.5未満 程度(2)→ 3級非該当/程度(1)→ 3級非該当

てんかんで特に考慮されるポイント

発作の頻度と発作型(A〜D)が考慮されます。
発作間欠期においても、さまざまな程度の精神神経症状や認知障害が持続することが考慮されます。
てんかんと他の精神疾患が併存する場合は、併合ではなく諸症状を総合的に判断して認定されます。
就労している場合も、仕事の内容や職場で受けている援助・配慮(危険作業の免除など)の実態が確認されます。
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目安表はあくまで参考で、症状の経過・生活環境・就労状況などを含めた総合評価で最終判定されます。また、障害基礎年金(初診日が国民年金)の場合、表中の「3級」は「2級非該当」となります。3級は障害厚生年金のみの等級です。

認定の方法・申請のポイント

発作の記録を残しましょう

発作中のことはご本人が覚えていないことが多いため、ご家族などによる発作の記録(日時・発作の様子・持続時間・回復までの経過)が、診断書の発作型・頻度の記載を裏付ける重要な資料になります。スマートフォンのメモや動画も有効です。

初診日の考え方

けいれんや意識消失などの症状で初めて医師の診療を受けた日が初診日です。小児期に発症している場合は当時の受診日となり、20歳前に初診日がある場合は20歳前障害基礎年金(保険料納付要件なし)の対象になります。

診断書のポイント

精神の障害は「精神の障害用の診断書」を使用します。等級判定に直結するのは次の点です。

発作型(A〜D)と頻度が、実際の発作の状況と合っているか。
服薬状況(十分な治療を続けていること)が記載されているか。
発作間欠期の症状(記憶力・集中力の低下、精神症状など)が反映されているか。
発作による日常生活の制限(入浴・調理・外出時の危険、自動車運転ができないこと等)が具体的に伝わるか。

よくあるご質問

Q薬で発作がほぼ抑えられています。対象になりますか?

A服薬等により発作が抑制されている場合は、原則として認定の対象となりません。ただし、発作間欠期の精神神経症状や認知障害が持続している場合は、それらを考慮して認定するとされています。

Q発作の頻度はどうやって証明するのですか?

A診断書に発作型と頻度が記載されます。本人は発作中の記憶がないことが多いため、ご家族による発作日誌や動画が、医師が正確に記載するための重要な資料になります。

Q発作は少ないですが、記憶力の低下がひどいです。

A発作間欠期にも精神神経症状や認知障害が持続することを考慮して認定するとされています。発作の頻度だけでなく、日常生活・就労への支障全体で判断されます。

Q子どもの頃からてんかんがあります。保険料の要件はどうなりますか?

A20歳前に初診日がある場合は「20歳前障害基礎年金」の対象となり、保険料の納付要件は問われません(ご本人の所得による支給制限はあります)。

Q仕事はしていますが、運転や高所作業ができません。

A就労していても、危険作業の免除など職場で受けている配慮の実態が考慮されます。労働が制限を受けている状況を診断書に反映してもらうことが重要です。

 
 

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出典:日本年金機構「国民年金・厚生年金保険 障害認定基準」第8節 精神の障害(令和4年4月1日改正版)、厚生労働省「精神の障害に係る等級判定ガイドライン」(平成28年9月施行)。本ページは公式基準にもとづく一般的な解説です。実際の等級は診断書等をもとに日本年金機構の審査により判定されます。

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