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慢性腎不全(人工透析)

年齢:50代年金の種類:障害基礎年金請求方法:認定日請求(遡及)就労状況:無職

障害の状態

  • 慢性腎不全のため人工透析(週3回・1回4時間)を継続しており、治療を中断できない状態にある
  • 身体障害者手帳1級を所持(透析導入から間もなく交付)
  • 診断書上「軽労働は可能だが、透析治療の必要性から、希望するような就労は困難な状況」と評価されている
  • 透析導入から半年ほどで従前の仕事(力仕事)への復職を試みたが、満足に行うことができず、以後は仕事ができない状態が続いている
認定結果:障害基礎年金2級 年金額:約80万円 遡及額:約280万円

相談までの経緯

ご相談者様は、高校卒業後に自衛隊へ入隊されました。在職中に体調を崩し、検査の結果、左の腎臓のみが肥大していることが判明したため摘出手術を受け、そのまま自衛隊での勤務継続は困難とされ退所となりました。右の腎臓は健康な状態であったため、術後は特に治療の必要性を指摘されることなく経過観察を終え、終診となりました。

自衛隊を退所した後は、自営業としてシャッターの修理・点検・設置等の下請け業務を長年にわたり続けてこられました。力仕事の日々でしたが体調の異常はなく、毎年の定期健康診断でも大きな指摘を受けることはありませんでした。しかし令和1年7月16日の定期健康診断で胸部の異常影を指摘され、7月22日に紹介先の医療機関を受診したところ、血液検査の結果から緊急入院となり、その日のうちに人工透析が導入されることになりました。

入院後はシャント造設術を受けて維持透析を継続し、退院後も週3回の人工透析を続けることになりました。入院から半年ほど経った頃、それまで行っていた仕事への復職を試みましたが、満足に業務をこなすことができず、そのまま廃業状態が続くことになりました。その後、透析拠点の移動にともない転院し、現在も継続して人工透析を受けています。ご本人様は同居のご家族がおらず、単身での生活を送っていらっしゃいます。

対 応

初回のヒアリングでは、自衛隊在職中の左腎摘出の既往から、令和1年の人工透析導入に至るまでの経過、およびこれまでの就労状況について詳しくお伺いしました。その中で、今回の請求における最大の争点は「初診日をどこに置くか」であると判断いたしました。受診状況等証明書には傷病の原因として「片腎・腎硬化症」との記載がありましたが、摘出されたのは左の腎臓のみで、右の腎臓は健康な状態が長年維持されていたことから、片腎であることと今回の慢性腎不全発症との間に医学的な相当因果関係があるとまでは言えないと判断しました。

そこで、過去の左腎摘出とは別の傷病として整理し、定期健康診断での異常指摘をきっかけに受診した令和1年7月22日を初診日として申し立てる方針といたしました。あわせて、人工透析療法には「透析を開始した日から起算して3か月を経過した日」を障害認定日とする特例があるため、令和1年10月22日を障害認定日とする認定日請求(遡及請求)の方針といたしました。

方針決定後、初診の医療機関に受診状況等証明書の取得を依頼するとともに、障害認定日当時の診断書は当時の主治医に、現在の診断書は転院先の主治医にそれぞれ依頼しました。病歴・就労状況等申立書には、初診日をどのように判断したかという根拠についても明記いたしました。

これらの資料をもとに必要書類一式を整えて提出したところ、約2ヶ月後に障害基礎年金2級の決定通知が届きました。障害認定日からの認定日請求が認められたことで、まとまった遡及額の受給につながりました。

慢性腎不全(人工透析)に関するポイント

人工透析療法における障害認定日の特例

人工透析療法を行っている場合、通常の「初診日から1年6か月後」という原則とは別に、「人工透析療法を開始した日から起算して3か月を経過した日」を障害認定日とする特例が設けられています。今回のケースでも、この特例に基づき、透析導入から3か月後の時点を障害認定日として認定日請求を行いました。

過去に別の傷病があった場合の初診日の考え方

過去に別の傷病で医療機関を受診していた場合でも、それが今回の傷病の発症と医学的に相当因果関係があるとまでは言えない場合には、別傷病として扱われ、新たな初診日で請求することができます。今回のケースでも、過去の腎臓摘出の既往と今回の慢性腎不全発症との関係を整理した上で、初診日を判断しました。

人工透析療法と障害等級の関係

人工透析療法を行っている場合、その治療の負担の大きさから、障害年金の認定においても比較的重い等級評価に結びつきやすいとされています。ただし実際の等級は診断書の記載内容等をふまえて総合的に判断されるため、個別の状況を診断書に正確に反映してもらうことが重要です。

関連動画

今回のように障害認定日にさかのぼって請求する「認定日請求」は、条件の理解が難しい手続きです。仕組みをより詳しく知りたい方は、こちらの動画もあわせてご覧ください。

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