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聴覚障害_両側性感音難聴_障害基礎年金2級

両側性感音難聴

年齢:50代年金の種類:障害基礎年金請求方法:事後重症請求就労状況:一般就労

障害の状態

  • 両耳の聴力レベルは右82.5dB・左81.3dBで高度の難聴
  • 両耳とも最良語音明瞭度は15%と著しく低下
  • 車のクラクションや放送、呼びかけが聞こえず危険を感じることも多い
  • 医師の所見でも労働能力はかなり制限され、回復の見込みも乏しいとされている
  • 身体障害者手帳4級を取得済み
認定結果:障害基礎年金2級 年金額:約102万円

相談までの経緯

ご相談者様は、就職して間もない20代前半の頃、勤務先の健康診断で聴力の異常を指摘されたことがきっかけでした。当時は日常生活の中で聞こえにくさを自覚することはほとんどなく、近くの耳鼻咽喉科を受診したものの「少し聞こえが悪い」と言われただけで、特に治療を受けることもなく通院は1回で終わっていました。

その後しばらくは大きな支障を感じないまま過ごされていましたが、お子様の幼稚園でのママ友との集まりなどで、周囲の声が聞き取りづらいと感じる場面が増えていきました。改めて別の耳鼻咽喉科医院を受診したところ難聴と診断され、何度か通院したものの「治らない」と言われてしまい、その後は通院を中断したまま日常生活を続けていらっしゃいました。

聞き取りづらさは徐々に強まっていったものの、何とか日常生活を送れていたため長らく受診はされていませんでした。しかし数年後の年末、突然耳がまったく聞こえなくなり、めまいなどの症状も現れたことから、近くの耳鼻咽喉科を受診。両側性の突発性感音難聴(急性増悪)の疑いと診断され、その場で紹介状を渡され、翌日には総合病院を受診することになりました。

総合病院では感音難聴と診断されて即日入院となり、ステロイドを用いた治療を受けられましたが、退院後も聴力は回復せず、その後も少しずつ悪化していきました。以降は年に1回程度通院を続けて経過観察をされていましたが、聴力の低下は著しく進み、身体障害者手帳(4級)の交付も受けられています。現在はパートタイムでの勤務を続けていらっしゃいますが、お客様とのやり取りなど聞き取りが必要な場面では聞き取れないことが多く、大きな疲労感を抱えながら、ご家族の支えを受けて生活されている状況でした。

これまでの受診歴が長期間にわたり、通っていた医療機関の中にはすでに廃院となっているところやカルテが残っていないところもあったため、初診日の証明に不安を感じておられ、ご家族を通じて当事務所にご相談をいただきました。

対 応

初回のヒアリングでは、健康診断で指摘を受けた時期から現在に至るまでの受診歴を、医療機関ごとに丁寧に確認しました。その結果、初診にあたる可能性のある複数の医療機関のうち、最も古い医療機関はカルテがすでに廃棄されており、その次に受診した医療機関も廃院となっていることが判明し、受診状況等証明書を取得することができない状況にありました。

そこで、確実に受診の記録が確認できる医療機関(診療情報提供書により受診事実が裏付けられる医療機関)を基準に、初診日をどう扱うかが本件最大の争点となりました。当事務所では、初診日を明らかにする書類を添付できない場合の特例的な取扱いに関する行政通知に基づき、出生時から症状が急激に悪化して受診した時点までを一つの期間とみなし、この期間について保険料納付要件をすべて満たしていることを確認したうえで、その受診日を初診日として障害基礎年金の事後重症請求を行う方針といたしました。

申立書の作成にあたっては、受診していた期間・受診していなかった期間のいずれについても、当時の自覚症状や生活状況、受診を中断した理由などをできるだけ具体的に記載し、初診日の証明が困難な医療機関についてはそれぞれ受診状況等証明書が添付できない理由書を作成して提出いたしました。また、診断書は現在かかりつけの医療機関に依頼し、聴力レベルや語音明瞭度などの検査データを漏れなく記載していただけるよう情報提供を行いました。

書類一式を提出後、審査の結果、障害基礎年金2級が認定され、年金証書の交付に至りました。長期間にわたる受診歴の中で証明書類が揃わない医療機関があるケースでも、行政の示す取扱いを丁寧に確認しながら申請を組み立てることで、道が開けることを改めて実感した事例です。

両側性感音難聴に関するポイント

聴覚障害の認定基準について

障害年金における聴覚障害の等級は、身体障害者手帳の等級とは別の基準により判定されます。両耳の平均純音聴力レベル(dB)や、両耳による普通話声の語音明瞭度などの検査結果をもとに等級が決定される仕組みです。今回のケースでも、聴力レベルおよび語音明瞭度の検査データが、2級の認定基準に該当するものと判断されました。

初診日の証明が困難な場合の特例的な取扱いについて

長年にわたり複数の医療機関を受診してきた場合、古い医療機関ではカルテがすでに廃棄されていたり、医療機関自体が廃院となっていたりして、初診日を証明する書類を用意できないことがあります。このような場合でも、一定の要件を満たせば、初診日が一定の期間内にあるものとして請求が認められる特例的な取扱いが設けられています。今回のケースでも、この取扱いを活用することで初診日を確定し、請求を行うことができました。

関連動画

今回のケースのように、以前受診していた医療機関がすでに廃院になっている場合の初診日の証明方法について、こちらの動画で詳しく解説しています。あわせてご覧ください。

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