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頚椎後縦靭帯骨化症

年齢:60代年金の種類:障害厚生年金請求方法:認定日請求就労状況:一般就労

障害の状態

  • 後方脊柱管拡大術(C3~C6)後、右半身の麻痺と右手の著しい筋力低下が残存
  • 握力は右約7.7kg・左約26.3kgで、右手に強い筋力低下がみられる
  • 両手に巧緻運動障害があり、指の異常運動(Finger Escape Sign)が左右とも陽性
  • 夜間は自己導尿が必要で、一晩に約3回程度カテーテルを使用している
  • 屋外では杖(丁字杖)を使用し、労働は補助具なしでは困難な状態
認定結果:障害厚生年金3級 年金額:約171万円

相談までの経緯

ご相談者様は、令和元年頃から手のしびれを自覚するようになりました。当初は日常生活に大きな支障はなく様子をみていましたが、令和3年頃になると、仰向けの状態で首を反らすと両手がしびれて動かせなくなるなど、症状が徐々に悪化していきました。そこでクリニックを受診したところ、頚部の脊椎症と診断され、転倒などに十分注意するよう指導を受けるとともに、温熱治療や鎮痛薬・湿布による治療を受けました。治療により症状が多少和らいだため、その後はしばらく通院することなく生活を続けていました。

ところが令和4年1月、雪の日に足を取られて仰向けに転倒したことをきっかけに、手足が動かせない状態に陥ってしまいました。動くことができずにいたところ、通りかかった宅配便のドライバーが救急車を要請してくれたことで、近隣の病院へ緊急搬送されました。検査の結果、頚椎後縦靭帯骨化症と診断され、手足が動かない状態であれば手術が必要との説明を受け、手術に対応できる病院へ転院することになりました。同年4月には後方脊柱管拡大術を受け、その後約3ヶ月にわたる入院・リハビリを経て退院しましたが、術後は右半身に麻痺が生じ、右手の握力はほぼ失われ、歩行も困難で、胸から下に知覚障害が残るような厳しい状態でした。

リハビリを重ねたことで、退院時には杖を使えば何とか歩ける程度まで回復しましたが、その後も右手の握力低下は著しく、重い物を持てない、箸で物をつかめない、階段の上り下りが難しいなど、日常生活には引き続き大きな支障が残りました。夜間の排尿にはカテーテルを使用した自己導尿が必要となり、今後は障害者手帳や指定難病の申請も検討している状況でした。秋には仕事に復帰したものの、以前と同じようには働けず、デスクワークのみへの変更や重量物作業の免除、杖の使用など会社の配慮を受けながら、週4日程度の出勤を続けていました。それでも体の痛みなどの症状は重く、通院や体調不良による休みを重ねる中で、このまま就労を続けていくことへの不安を抱え、当事務所へご相談いただく運びとなりました。

対 応

初回のヒアリングでは、初診日から手術に至るまでの通院状況や、現在の身体状況・就労状況について詳しくお伺いしました。今回のケースでは、初診(令和3年6月)から症状の悪化・転倒による緊急搬送(令和4年1月)までの間、一度も医療機関を受診していない期間があったため、初診日の証明と、その後の症状の連続性を書類上どのように整合させるかが大きな課題となりました。

そこで、初診日を証明する受診状況等証明書と、その後の受診の空白期間についてはご本人の申立書上で自覚症状の経過を具体的に記載いただくことで、発病から現在までの経過に矛盾が生じないよう整理いたしました。障害認定日(初診日から1年6ヶ月にあたる令和4年12月)の時点で、手術後のリハビリを経てもなお重い後遺障害が残っていたことから、事後重症請求ではなく認定日請求の方針とし、認定日時点の診断書をご準備いただきました。

診断書の作成にあたっては、右手の握力低下や指の異常運動(Finger Escape Sign)、夜間の自己導尿の頻度など、日常生活・労働への支障が具体的な数値で記載されるよう、主治医への情報提供に努めました。書類を整えたうえで令和5年5月に請求書を提出し、審査を経て障害厚生年金3級の決定通知をいただきました。通院に空白期間がある事例であっても、当時の記録と申立書の記載を丁寧に整合させることで、初診日の証明と適正な等級認定につなげられた事例です。

頚椎後縦靭帯骨化症に関するポイント

頚椎後縦靭帯骨化症と障害年金

頚椎後縦靭帯骨化症は、脊柱管内の靭帯が骨のように硬くなることで脊髄が圧迫され、手足のしびれ・麻痺や歩行障害などの神経症状を引き起こす疾患で、国の指定難病にも指定されています。障害年金の認定にあたっては、上肢・下肢の機能障害の程度や、日常生活動作にどの程度の制限があるかが総合的に判断されます。今回のケースでも、手術後に残った右半身の麻痺や握力低下、排尿障害などの状態が総合的に評価され、3級の認定に至りました。

通院に空白期間がある場合の注意点

発病から初診まで、あるいは初診から症状悪化までの間に受診していない期間がある場合、そのままでは初診日の証明や症状の連続性の説明が難しくなることがあります。受診していなかった理由や当時の自覚症状・生活状況を病歴・就労状況等申立書に具体的に記載することで、審査においてより正確に経過を把握してもらいやすくなります。

関連動画

今回のように、障害年金を受給しながら仕事を続けている方も少なくありません。就労と障害年金の関係について詳しく知りたい方は、こちらの動画もあわせてご覧ください。

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