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腎疾患_慢性腎不全(糖尿病性腎症・人工透析)_障害厚生年金2級

慢性腎不全(糖尿病性腎症・人工透析)

年齢:50代年金の種類:障害厚生年金請求方法:事後重症請求就労状況:無職

障害の状態

  • 急激な体調不良・食欲低下から不可逆性の慢性腎不全・尿毒症と診断され、緊急で血液透析を導入
  • 以降、週3回・1回約4時間半の維持血液透析を継続(治療期間は約6年、通算約186回)
  • 血液検査では血清クレアチニン値が約11〜12mg/dlと高度に上昇
  • 人工透析導入後まもなく身体障害者手帳1級を取得
  • 歩行や軽労働はできるが身体活動が制限される状態にあり、透析による時間的拘束・倦怠感で生活への支障は大きい
認定結果:障害厚生年金2級・障害基礎年金2級(併給) 年金額:約157万円(年額)

相談までの経緯

ご相談者様は、平成13年頃、それまで別の傷病で通院していた医療機関を受診した際に突然強いめまいに見舞われ、悪性高血圧の疑いがあるとして2週間ほど入院となりました。退院後は投薬治療のため通院を継続していましたが、血糖値や尿蛋白の数値の悪化がみられ、かかりつけ医制度の導入にあわせて別の医療機関への紹介となりました。

紹介先では糖尿病と診断され通院治療を続けていたものの、血清クレアチニン値が徐々に上昇し血圧コントロールも難しくなったことから、専門的な治療を行う医療機関へ改めて紹介され、糖尿病による慢性腎不全として治療を継続することになりました。治療を続けても血清クレアチニン値は徐々に上昇し、体調は少しずつ悪化していきました。

平成29年6月、急激な体調不良と食欲の低下がみられて受診したところ、不可逆性の慢性腎不全・尿毒症と判断され、その場で血液透析が実施されました。翌日から約1週間入院してシャント術を受け、退院後は別の医療機関に転院して維持血液透析を継続することとなりました。以後、週3回、1回あたり約4時間半の透析治療を続けており、時間的な拘束や倦怠感などにより日常生活への支障が大きい状態が続いていました。

長期にわたる透析治療の継続により就労も難しい状況となる中、障害年金の請求についてご検討され、当事務所へご相談・ご依頼をいただきました。

対 応

初回のヒアリングでは、平成13年頃の受診をきっかけとした治療の経過、平成29年の人工透析導入の経緯、現在の透析頻度や生活状況などを詳しく確認しました。

本件最大の争点は初診日の証明でした。ご相談者様が最初に受診した医療機関、およびその後に紹介された医療機関のいずれも診療録(カルテ)が破棄されており、初診日を直接証明する受診状況等証明書を取得することができない状況でした。当初は糖尿病の診断を受けた時点(平成14年頃)を初診日として請求書を作成しましたが、日本年金機構より、それ以前に別の医療機関で血糖値・尿蛋白の異常を指摘されていたことがうかがえるとして、初診日の記載内容について返戻(差し戻し)を受けました。

この指摘を踏まえ、当時の診察券や紹介先医療機関が発行した診療情報提供書など、直接の証明書に代わる間接的な資料を改めて整理しました。あわせて年金の加入記録を確認したところ、想定される期間のいずれの時点であっても保険料納付要件を満たすことが確認できたため、初診日を「平成13年頃」とする内容に申立書等を訂正し、受診状況等証明書が添付できない理由書とあわせて再提出しました。

また、障害認定日(初診日から1年6か月後)の時点では症状が比較的軽く、その基準では受給が難しいと考えられたことから、認定日請求ではなく、その後の症状悪化を理由とする事後重症請求の方針を採用しました。

再提出後の審査を経て、障害厚生年金・障害基礎年金ともに2級(15号)の決定を受けることができました。長期間カルテが残っていない場合でも、間接的な資料を丁寧に積み重ねることで初診日を認めてもらえた事例です。

慢性腎不全(糖尿病性腎症)に関するポイント

人工透析療法と障害等級

障害年金の認定基準では、人工透析療法を行っているものは、原則として障害等級2級に認定される取り扱いとなっています。今回のケースでも、週3回の維持血液透析を継続している状態が、2級(15号)の認定の重要な判断材料になったと考えられます。

人工透析療法と障害認定日の特例

人工透析療法を行っている場合、障害認定日には「透析を開始した日から起算して3か月を経過した日」とする特例が設けられています。ただし今回のケースでは、初診日から1年6か月後にあたる通常の障害認定日の時点ではまだ透析導入前で症状が軽く、実際の透析導入ははるかに後年であったため、この特例ではなく通常のルールを前提に、その後の症状悪化を理由とする事後重症請求の方針をとりました。

カルテが残っていない場合の初診日の証明

発病から長期間が経過し、当時通院していた医療機関でカルテが破棄されているようなケースでは、初診日を直接証明する受診状況等証明書を取得できないことがあります。そのような場合でも、診察券や紹介状(診療情報提供書)といった間接的な資料を積み重ねることで、日本年金機構に初診日を認めてもらえることがあります。

関連動画

初診の医療機関に受診記録が残っておらず、初診日の証明にお困りの方は、こちらの動画もあわせてご覧ください。

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