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2026年1月の記事:ブログページ

障害年金の初診日証明|20歳前の初診日証明(初診日が柔軟に認められやすい理由と証明の考え方)

初診日講座 第3回|20歳前(年金制度未加入期間)の初診日証明

こんにちは。社会保険労務士の菅野です。

この連続講座では、障害年金の手続きにおいて最も重要と言っても過言ではない「初診日」について、様々な取り扱いや証明方法を全12回にわたって解説しています。

前回【第2回】では、初診日証明の基本的な進め方として、受診歴の整理から受診状況等証明書の取得までの流れをご紹介しました。
まだご覧になっていない方は、ぜひあわせてご確認ください。

第3回となる今回は、「20歳前の初診日証明」についてお話していきます。

実は、初診日が20歳前(原則として年金制度未加入期間)にあるケースは、制度上の取り扱いが少し特別で、
仮に初診日の証明が難しい状況であったとしても、他のケースと比べて初診日が柔軟に認められやすいという特徴があります。

この取り扱いを知らず、実は初診日が認められる可能性があるのに、
「受診状況等証明書が取れない」という理由だけで手続きができていない方も、現実には少なくありません。

ご自身やご家族の初診日が20歳未満の時点だったという方は、ぜひ今回の内容をご参考にしてください。


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まず前提:初診日の制度加入状況で受け取れる年金が変わる

初診日について考えるとき、最初に整理しておきたい制度上の前提があります。

障害年金では、「初診日時点でどの年金制度に加入していたか」によって、支給される年金の種類が変わります。

  • 初診日が厚生年金の加入期間中 → 障害厚生年金
  • 初診日が国民年金の加入期間中 → 障害基礎年金

そのうえで、今回のテーマである20歳前の期間は、原則として厚生年金に加入していない限り国民年金にも加入していない、
年金制度に加入していない「未加入期間」にあたります。

このような20歳前の未加入期間中に初診日がある場合、制度上は障害基礎年金の対象として取り扱われ、
そもそも保険料納付義務がないため、保険料納付要件も問われません。

したがって、今回の記事は、

「20歳前に初診日があり、初診日時点で厚生年金に加入していなかった方(障害基礎年金の対象者)」

に向けた内容となります。


20歳前初診は、初診日証明のハードルが低くなりやすい

20歳前の初診日証明は、実務上、通常ケースに比べて初診日を証明するハードルが低くなりやすい傾向があります。

この理由を理解するために、まずは障害認定日についておさらいしておきましょう。


障害認定日とは?(基本は初診日から1年6ヶ月)

障害認定日とは、障害年金において障害の状態を評価するための基準日です。

原則として、障害認定日は、

初診日から起算して1年6ヶ月を経過した日

とされています。

ただし、ここで覚えておく必要がある重要なポイントがあります。


初診日が「18歳6ヶ月より前」の場合、障害認定日は一律「20歳到達日」

障害基礎年金(20歳前障害)の場合、障害認定日は20歳前に設定されることはありません。

つまり、初診日が18歳6ヶ月より前にあるケースでは、
たとえそこから1年6ヶ月が経過していたとしても、その日が20歳未満であれば、障害認定日は20歳到達日となります。

この取り扱いがあるため、初診日が18歳6ヶ月より前であれば、初診日が厳密に「何年何月何日」かまで確定しなくても、
審査側としては「どうせ障害認定日は20歳になるので、日付はそこまで厳密に必要ない」という考え方ができ、
初診日について柔軟に認定されやすいということになります。


2番目以降の医療機関記録が「18歳6ヶ月以前」なら、初診日を認めてもらえる可能性がある

特に重要な実務ポイントは、

初診病院の証明ができなくても、2番目以降の医療機関の受診記録を活用できる

という点です。

もう少し具体的に言うと、2番目以降の医療機関の受診日が18歳6ヶ月以前であった場合、
本来の初診病院について全く証明できなくても、ご自身が申し立てた初診日を認めてもらえる可能性があります。

なぜなら、2番目以降の病院受診日が18歳6ヶ月以前である以上、当然、初診病院も18歳6ヶ月以前であることが明らかであり、
障害認定日はどうせ20歳になるため、障害年金の権利発生に影響がないからです。

そのため、初診日の証明に不安がある方でも、

  • 2番目以降の医療機関の受診状況等証明書
  • 領収書
  • お薬手帳
  • 母子手帳の記録

など、「18歳6ヶ月前の受診」を示す資料が揃っている場合は、諦めずに証明の可能性を探っていただければと思います。


初診日が「18歳6ヶ月以後〜20歳未満」の場合はどうなる?

ここまでの話を聞いて、

「では、初診日が18歳6ヶ月を過ぎたあと、20歳に到達するまでの間にある場合はどうなるのか?」

と疑問に思った方もいらっしゃるかもしれません。

このケースでは、障害認定日は原則どおり、初診日から1年6ヶ月経過した日となります。

つまり、障害認定日が20歳到達日よりも後になるため、制度上は「初診日がいつであったか」を通常どおり確認する必要があります。

この場合でも、保険料納付要件は不要ですが、障害認定日を決めるためには、
しっかりと初診日の証明が求められるという点は変わりません。


ただし「始期・終期の取扱」と組み合わせると、認められる可能性がある

――ここまでが制度上の建前なのですが、実務上はもう少し柔軟な運用がされることがあります。

それが、この講座の後半で詳しく解説する「障害年金の始期・終期の取扱」です。

この取り扱いを活用すると、少なくとも20歳前までに何らかの受診があったことを証明できれば、
ご自身が「ここが初診日です」と申し立てた日を初診日として認めてもらえる可能性があります。

始期・終期の取扱とは?(簡単な説明)

これは通達上の取り扱いで、初診日を特定できなくても、一定の期間内に初診日があることが確認できた場合に、
その期間のすべてで保険料納付要件を満たすことを条件として、申立てた初診日を初診日として認めることができるというものです。

20歳前の場合はそもそも保険料納付要件が不要であるため、
「生まれた日から2番目の医療機関受診日までの間のどこかに初診日がある」ことが確認できれば、
比較的幅広く初診日が認められる可能性がある、という実務的なポイントになります。

このあたりは専門的な取り扱いになりますので、講座の後半で具体例とあわせて詳しく解説していきます。


まとめ:20歳前初診は柔軟な判断がされやすいので、諦めないことが大切

今回は、20歳前の初診日証明について解説しました。

20歳前の初診日については、制度的にも実務的にも柔軟な判断がされやすい傾向があります。
受診状況等証明書が取れないなどの理由で困っている方も、ぜひ諦めずに検討を進めていただければと思います。

ただし、初診日の証明は思っている以上に難しいケースも多くあります。
初診病院が不明確であったり、複数の病院にかかっていて経過が曖昧な場合など、ご自身だけでは判断が難しいケースも少なくありません。

私はよく「すべての障害年金手続きに専門家が必要なわけではない」とお伝えしていますが、
初診日については話が別です。

初診日が証明できなかったことで、障害年金の権利そのものが失われてしまうことも現実としてありますので、
初診日に課題がある場合は、早めに専門家へ相談することも検討してみてください。


次回予告

次回【第4回】では、「5年以上前の医療機関資料を使った初診日証明」について解説していきます。

初診日の証明では「5年以上前の記録があるかどうか」が重要な分岐点になります。
次回もぜひ参考にしていただければと思います。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

2026年01月05日 10:00

障害年金の初診日証明|初診日証明の基本的な進め方

初診日講座 第2回|初診日証明を進めるための実務的な流れ

こんにちは。社会保険労務士の菅野です。

この連続講座では、障害年金の手続きの中でも特に重要でありながら、実務ではつまずきやすい「初診日」について、全12回にわたって深掘りして解説しています。

初診日は、障害年金の受給権の発生や受給額を左右する根本的な要素です。
実際に初診日が原因で障害年金が受給できていないという方も少なからずいらっしゃいます。

前回【第1回】では、初診日の基本的な考え方についてお話ししました。
今回【第2回】では、「初診日証明の基本的な進め方」について、実務的な流れに沿って解説していきます。

なお、普段私は「すべての障害年金手続きに専門家が必要なわけではない」とお伝えしています。
ただし、初診日に課題がある場合は話が別で、自己判断によって大きな不利益につながるリスクもあります。

逆に言えば、通知・通達や認定事例を踏まえると「なんとかなるケース」も多くありますので、初診日で困っている方が一人でも救われればという思いで、この講座を作成しています。


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初診日証明の基本ステップは「2つ」です

初診日の証明を進めていく上で、まず押さえていただきたい基本の流れは次の2つです。

  1. 受診歴の洗い出し(整理)
  2. 初診病院から受診状況等証明書を取得して提出する

一見シンプルに見えるかもしれませんが、ここでつまずく方が非常に多いのが実務の実態です。

ここから、それぞれの作業について具体的に解説していきます。


ステップ1:まずは「受診歴の洗い出し」を行う

初診日証明を進めるうえで、最初にやっていただきたいのが受診歴の洗い出しです。

これは、現在の病気やけがに関連する受診歴について、

  • どの医療機関を
  • いつ頃受診して
  • どんな診療科で
  • どんな治療・診療を受けて
  • どのように経過してきたのか

を、時系列で整理していく作業です。

たとえば、以下のような情報をメモにしていくと整理しやすくなります。

  • 病院名(クリニック名)
  • 受診したおおよその時期(例:2020年春頃〜2021年夏頃)
  • 診療科(内科/精神科/整形外科など)
  • 受診のきっかけ(症状・経緯)
  • 診断名(当時分かっている範囲で)
  • 転院した場合はその理由

重要なのは「今通っている病院」ではなく「最初の病院」

ここで大切なのは、「今通っている病院」ではなく、その傷病において最も最初に受診した病院がどこかを探し出すという視点です。

途中で診断名が変わっている場合でも、基本的には「連続性がある傷病」として判断するのが障害年金の考え方です。

まずは過去の受診歴を丁寧に整理し、初診病院を明確にすることが、初診日証明の第一歩になります。


ステップ2:初診病院に「受診状況等証明書」を依頼する

受診歴の整理ができたら、次に行うのが、

最初に受診した医療機関(初診病院)に「受診状況等証明書」を依頼する

という作業です。

受診状況等証明書とは、医療機関がカルテ記録をもとに作成してくれる書類で、

  • 初診日
  • 終診日
  • 受診経過
  • 治療内容
  • 転帰(治癒・転医・中止など)

などが記載されます。

そして、この受診状況等証明書を窓口へ提出することによって、初診日がいつであったかを証明していくのが、初診日証明の基本ルートです。


受診状況等証明書が不要になるケースもある

ここで注意点として、すべてのケースで受診状況等証明書が必要というわけではありません。

① 初診病院=診断書取得病院の場合

診断書を作成してもらう病院と初診病院が同じ場合、診断書の中に初診日の記載欄があり、
受診状況等証明書の内容を診断書が包括しているため、受診状況等証明書は省略できます。

② 知的障害の場合(初診日=出生日の取扱い)

知的障害のケースでは、原則として初診日が出生日とされるため、受診状況等証明書そのものが不要になります。

ただし、この取り扱いは知的障害特有のものであり、他の先天性疾患には基本的に適用されない点には注意が必要です。


初診病院で証明書が取れない場合はどうする?

初診病院が閉院している、カルテが破棄されているなどの理由で、受診状況等証明書が取得できないケースも少なくありません。

この場合の対処法は、次回以降の講座で詳しく解説していきます。

まずは今回の内容としては、

  • 受診歴を整理して初診病院を特定する
  • 初診病院から受診状況等証明書を取得できるか確認する

というところまでを、着実に進めることが重要です。


初診日証明は「自己判断で諦めないこと」が大切です

初診日の証明は、障害年金手続きの中で最も重要であると同時に、つまずきやすいポイントでもあります。

初診病院が不明確であったり、経過が曖昧であったりすると、ご自身だけでは判断が難しいケースも少なくありません。

普段、更新手続きなどでは「専門家が不要なケースも多い」とお伝えしていますが、初診日については話が別です。

初診日が証明できなかったことで、そもそも障害年金の権利が失われてしまうことも現実としてあります。

逆に、通知・通達レベルの取り扱いを理解して進めれば、「なんとかなるケース」も少なくありません

もし初診日に課題がある場合は、早めに専門家に相談することも選択肢として検討してみてください。


次回予告

次回【第3回】では、「20歳前の初診日証明」について解説していきます。

初診日が20歳前(年金制度未加入期間)にある場合は、初診日の取り扱いが通常と異なります。
実務でも誤解が多いポイントですので、ぜひ次回も参考にしていただければと思います。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

2026年01月04日 10:00

障害年金の初診日証明|障害年金の初診日とは?重要性と連続講座の概要

初診日講座 第1回|初診日の基本的な考え方・今後の講座の全体像

こんにちは。社会保険労務士の菅野です。

少し前に、ご自身やご家族で障害年金の手続きを行うための連続講座を配信しました。実際に手続きを進めるタイミングの方々から「参考になった」とのお声もいただき、私としても大変安心しております。

そこで今回からは、よりテーマを絞って、障害年金の「初診日」に関する全12回の連続講座をスタートします。

初診日は、障害年金の手続きにおいて支給の可否や受給額に直結する最重要ポイントです。にもかかわらず、初診日の証明がうまくできず、手続きそのものが進まないというケースは決して少なくありません。

この講座では、初診日の基本的な考え方から、証明に困ったときの解決方法、さらに専門家でないと把握しづらい特殊な取り扱いまで、実務的に役立つ形で詳しく解説していきます。


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初診日とは?障害年金における定義

まず、障害年金における初診日は、次のように定義されています。

「障害の原因となった傷病について、初めて医師又は歯科医師の診療を受けた日」

一般的に「初診日」と聞くと、「その病院で初めて受診した日」をイメージしがちですが、障害年金ではそうではありません。

障害年金でいう初診日とは、ご自身の傷病に関する一連の受診歴の中で、最も古い受診日を意味します。
つまり、転院が複数あっても、初診日は基本的に「その傷病につき1つ」です。


なぜ初診日が重要なのか

初診日が重要である理由は、障害年金の制度が初診日を基準にして成り立っているからです。

具体的には、初診日によって次の2つが決まります。

① 保険料納付要件の判断

障害年金には「保険料納付要件」があり、要件を満たしていなければ障害年金を受給できません。
この納付要件は、初診日を基準にして判定されます。

② 障害認定日の特定

障害年金では、原則として初診日から1年6ヶ月後が「障害認定日」とされます。
障害認定日がいつなのかによって、認定日請求が可能か、遡及請求ができるかなどが決まります。

このように、初診日が正しく特定できないと、受給要件の判定そのものができなくなるため、障害年金が受給できない可能性が出てきます。


なぜ初診日の証明が難しいのか

初診日が重要であるにもかかわらず、多くの方が初診日証明で苦戦する理由は、初診日を証明するための書類取得が難しいケースが多いためです。

基本的な初診日証明の方法は、初診日の医療機関に依頼して「受診状況等証明書」を作成してもらい、提出することです。

受診状況等証明書は、カルテ記録をもとに初診日や受診経過などを記載する書類です。

しかしここで問題になるのが、医療機関におけるカルテ保存義務です。

カルテの保存義務は「5年」

医療機関におけるカルテの保存義務は、法律上5年とされています。

つまり、5年を超えるとカルテを保存しておくか破棄するかは医療機関の判断となり、実際には初診日が古い方ほど、初診病院にカルテが残っていないということが珍しくありません。

また、病歴が長い方は複数の医療機関を受診していることも多く、さらに初診病院が小規模医療機関の場合は、閉院しているというケースもよくあります。

こうした「カルテ破棄」や「閉院」にあたってしまうと、初診病院から受診状況等証明書が取得できず、初診日証明が一気に難しくなります。


初診病院の証明が取れない=もう受給できない、ではありません

初診病院から受診状況等証明書が取得できないと、「もう障害年金は無理なのでは」と不安になる方も多いと思います。

しかし、結論としては、そんなことはありません。

審査側も「落とすために審査をしている」わけではなく、客観的に見て合理的に初診日を推定できる資料が整えば、初診日が認められる可能性があります。

このあたりは、専門家でないとなかなか知らないような複雑な取り扱いもありますが、実務的には「何とか解決できる」ケースも少なくありません。

そのため、この連続講座では、初診日の証明に関する様々な方法を具体例や通達に基づいて、順番に解説していきます。


今後の講座の概要(全12回)

初診日は一見シンプルな概念ですが、実務上は様々な特殊な取り扱いがあり、誤解やつまずきが起こりやすい分野です。

この講座では、初診日に関して、

  • 初診日証明の基本的な進め方
  • 受診状況等証明書が取れない場合の考え方
  • 2番目以降の医療機関の記録を使った証明
  • 第三者証明・健康診断等を使った証明
  • 相当因果関係や特殊な初診日の取り扱い
  • 実務上の注意点(医療機関への依頼の仕方など)

など、初診日証明を行ううえで必要となるポイントを段階的に整理してお伝えしていきます。

初診日の証明がうまくできず、障害年金の手続きが進んでいない方を一人でも救えれば、大変嬉しいです。


初診日に課題がある場合は、早めに専門家へ相談も検討を

この講座は、ご自身で手続きを進められるように作成していますが、初診日に課題がある場合は、手続きの難易度が一気に上がります。

初診日は、障害年金の権利そのものに大きく影響するため、専門家の支援を受けた方がスムーズに受給につながるケースも多いです。

もうどうしたらいいかわからない、という場合は、早めに障害年金に詳しい社労士へ相談することも選択肢として検討してみてください。


次回予告

次回【第2回】では、「初診日証明の進め方」について詳しく解説します。

初診日証明の作業は、最初にどのような順番で確認・準備をしていくかがとても重要です。
ぜひ次回も参考にしていただければと思います。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

2026年01月03日 10:00

障害年金の手続き|年金証書の見方と初回振込までの流れ

第12回|障害年金が決定した後に確認するポイント

こんにちは。社会保険労務士の菅野です。

これまで、障害年金の手続きをご自身やご家族で行われる方が、手続きの全体像や手順、各作業での注意点が分かるように、全12回にわたって解説してきました。今回が最後の第12回となります。

前回は「障害年金の審査にかかる期間」について解説しました。審査が終了すると、ご自宅に結果通知が届くようになります。

その中に「年金証書」が入っていれば、無事に認定されたということです。ここまで来てようやく一安心できる方も多いと思います。

ただ、認定されたら次に気になるのが、「いつ振り込まれるのか」という点です。

そこで今回は、最後となる第12回として、年金証書の見方と、実際の振込までのスケジュールについて解説します。


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そもそも年金証書とは?

年金証書とは、年金を受ける権利があることを証明する書類です。

年金証書の見方は項目が多く、最初は戸惑うかもしれませんが、まずは「自分が知りたいところ」を押さえれば大丈夫です。

特に多くの方が気になるのは、

  • 認定された等級
  • 更新(次回診断書提出)の時期
  • 支払開始年月
  • 年金額

の4つです。


まず最初に見るべき:等級と更新時期

年金証書の右下に、「障害基礎・障害厚生年金の障害状況」という項目があります。

① 障害の等級

ここに、認定された等級が記載されています。

「2級」や「3級」といった等級に加えて、
「2級16号」のようにまで書かれていますが、号は「どの基準で認定されたか」を示すものです。

専門家は号まで見ますが、ご自身としては何級だったかを確認すれば十分です。

② 診断書の種類

次に、今回認定に使用された診断書の種類が記載されています。

数字だけで分かりづらいですが、診断書の種類は番号で決まっています(例:精神の診断書は7番)。
ただし、更新時にも「同じ種類の診断書」が求められるだけなので、ここもあまり気にしすぎなくて大丈夫です。

③ 次回診断書提出年月(更新時期)

ここに記載されている「何年何月」が、次回の更新審査の時期です。

少なくとも、この更新時期が来るまでは、障害年金の権利がなくなることはありません。

認定期間は1年~5年の範囲で決まり、更新月は誕生月と決まっています。


年金証書の構成:3つのパートでできています

年金証書は大きく分けると、次の3つで構成されています。

  • 上部:証書部分(青色)
  • 中段:厚生年金保険 年金決定通知書
  • 下段:国民年金 年金決定通知書

それぞれ順番に見ていきましょう。


① 上部(証書部分):まず「障害」と書かれているか確認

上部の証書部分には、年金の種類として「障害」「老齢」「遺族」などが記載されます。

障害年金の手続きが認定された場合は、ここが「障害」になっていることを確認しましょう。

次に「受給権を取得した年月」が記載されています。

ここで重要なのは、

年金が支給されるのは、受給権が生じた月の「翌月分」から

という点です。

つまり、受給権を取得した年月と支給開始月は同じになりません。

また、

  • 事後重症請求:提出月が受給権発生日
  • 認定日請求:障害認定日の月が受給権発生日

となりますので、受給権取得年月を見ることで、遡及が認められたのか、事後重症として認められたのかが判断できます。


② 厚生年金決定通知書:支払開始年月と年金額を確認

厚生年金決定通知書で重要なのは、次の4つです。

  • 支払開始年月
  • 基本となる年金額
  • 加給年金額(または加算額)
  • 年金額(合計)

支払開始年月

支払開始年月は、先ほどお伝えしたとおり、受給権取得月の翌月になっているはずです。ここを確認しましょう。

基本となる年金額(報酬比例部分)

障害厚生年金の基本額は、平均標準報酬額や加入月数などから算出される「報酬比例部分」です。

ただし、3級の場合は、算出額が最低保証額を下回ると最低保証額が適用されます。

加給年金額

障害厚生年金の1級・2級に該当し、一定の収入以下の配偶者がいる場合は加給年金が加算されます。

内訳は複雑ですが、最終的には右端の「年金額」を確認するのが一番分かりやすいです。


③ 国民年金決定通知書:障害基礎年金の部分

国民年金決定通知書の欄は、

  • 障害基礎年金を受給された方
  • 障害厚生年金2級以上の方(基礎年金も併給)

に記載されます。

障害厚生年金3級の方は、ここが記載されませんので注意しましょう。

見方は厚生年金と同じで、ここも右端の年金額を確認すれば大丈夫です。

基礎年金の基本額(令和6年度)

基礎年金の金額は定額で、令和6年度では以下のとおりです。

  • 2級:81万6,000円
  • 1級:102万円

子の加算

障害基礎年金(または障害厚生年金2級以上)では、18歳年度末までの子、または一定の障害を持つ20歳未満の子がいる場合に子の加算があります。

こちらも内訳は複雑なので、右端の年金額を確認すれば十分です。


最終的な年金額は「厚生+国民」の合計です

障害厚生年金2級以上の方は、厚生年金と国民年金の両方に金額が記載されています。

「どちらが支給されるの?」と迷う方が多いのですが、
両方の年金額を合算した金額が支給されるのが正しい理解です。

また、年金証書の金額は「受給権取得年の金額」です。
年金額は毎年改定されますので、特に遡及請求の方は、証書の金額が最新の金額ではない点に注意しましょう。


年金は「偶数月15日」に2ヶ月分ずつ振り込まれます

年金は原則として、偶数月の15日に、2ヶ月分まとめて振り込まれます。

たとえば、

  • 4月・5月分 → 6月15日
  • 6月・7月分 → 8月15日

というように、年金は後払いで支給されます。

また、15日が土日祝にあたる場合は、前倒しで振り込みになります。

毎月振り込まれるわけではありませんので、金銭管理上の注意が必要です。


初回振込は「奇数月」になることもあります

年金は原則偶数月支給ですが、認定後の初回振込は、例外的に奇数月になることがあります。

通常は、年金決定が出ると、決定日の翌月または翌々月の15日に初回支給されることが多いです。

目安としては、

  • 月の前半(2週目くらいまで)に決定 → 翌月15日
  • 月の後半に決定 → 翌々月15日

となるケースが多い印象です。

ただし、他の年金の受給があるなど、何かしら調整が必要な場合は、さらに1ヶ月ほど遅れることもあります。

初回振込がいつ・いくらになるかは、支給日の直前に通知が届きますので、そこで確認できます。
また、事前に窓口に確認すると教えてもらえることもありますので、不安な方は相談してみましょう。


事例でイメージ:申請から決定、振込までの流れ

流れをつかみやすいように、ひとつ事例で確認してみます。

例:6月末に事後重症請求 → 9月24日に決定

この場合、受給権発生日は申請日である6月末となるため、
年金は7月分から支給対象となります。

ただし、8月15日(7月分の本来の振込日)の時点ではまだ決定していないため、当然支給されません。

9月24日に決定が出たとしても、直近の振込日(10月15日)までの期間が短く、処理が間に合わないため、
初回振込は11月15日になる可能性が高いです。

この場合、7月~9月分が未払いとなっているため、例外的に奇数月で支給されます。

そして、その後は通常どおり偶数月支給に戻り、
10月・11月分は12月15日に支給される流れになります。

どの月の年金が、いつ振り込まれるのかを理解しておくことは、家計管理の面でもとても重要です。


まとめ:証書確認と振込ルールを理解して、安心して受給を迎えましょう

今回は、年金証書の見方と振込までの流れについて、

  • 等級と更新時期は証書右下で確認する
  • 支払開始年月は受給権取得月の翌月
  • 厚生年金と国民年金がある場合は合算が支給額
  • 年金は偶数月15日に2ヶ月分ずつ支給
  • 初回振込は例外的に奇数月になることがある

というポイントを解説しました。

これまでの全12回で、障害年金手続きの全体像や各工程の注意点を段階ごとに整理してお伝えしてきました。

すべてをご覧いただいた方、ありがとうございました。
まだ途中までしか見ていない方も、実際に手続きを進める際には、必要な回をぜひ見返していただければと思います。

このシリーズが、少しでもご自身で手続きを行う方の助けになれば幸いです。
今後もテーマを決めて、さらに詳しい解説も行っていきたいと思います。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

2026年01月02日 10:00

障害年金の手続き|障害年金の審査にかかる期間はどれくらい?

第11回|審査期間の目安と遅くなる理由(返戻・医師照会)

こんにちは。社会保険労務士の菅野です。

このシリーズでは、障害年金の手続きをご自身やご家族で行われる方が、障害年金手続きの全体像や手順、各作業においての注意点が分かるように、全12回で解説しています。

前回は、窓口で提出する障害年金の請求書類についてお話しました。
前回までで障害年金の請求手続き自体は完了となりますが、実際に受給できるかどうかは、審査結果を待つ必要があります。

提出が終わってほっと一息つけるところですが、結果が出るまでの待っている期間は不安が大きいかと思います。

そこで第11回の今回は、障害年金の審査にかかる期間について解説します。


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標準の審査期間は「3ヶ月」

障害年金の請求書類を提出すると、受付時に書類が交付されます。
その中にも記載されていますが、障害年金の標準の審査期間は3ヶ月です。

多くの方の審査は3ヶ月以内で終了し、ご自宅に認定結果の通知が届くことになります。

ただし、ここで重要なのは、あくまでも標準期間が3ヶ月ということです。
3ヶ月以内に必ず終わるわけではありません。

審査期間は個々の状況によって前後します。
早い方では1ヶ月半ほど、遅い方では半年を超えることもあり、稀に1年以上かかる方もいらっしゃいます。


審査が早く終わりやすいケース

比較的審査が早く終わるのは、障害等級の認定が容易なケースです。

例えば、視力や聴力のように数値で判断できるものは、認定基準の当てはめが明確です。

また、障害年金には「一定の状態で等級が決まっているもの」もあります。

  • 人工関節・人工肛門:3級
  • 人工透析:2級

こうした基準が明確なケースでは、3ヶ月を待たずに審査が終了することも多いです。


審査に時間がかかりやすいケース

反対に、精神疾患や内科系の傷病は、認定基準が比較的あいまいな部分があり、審査に時間がかかる傾向があります。

もちろん、明らかに該当する状態であればスムーズに進みますが、
等級の境界に近い重さの場合は判断に時間がかかりやすいです。

また、遡及請求のように診断書を複数提出する必要がある場合は、
過去と現在それぞれで等級判断が必要になるため、審査時間が延びる要素になります。

ただし、これらの理由だけであれば、多くの場合は3ヶ月程度で終了します。


審査が大幅に遅くなる主な原因:「返戻」と「医師照会」

審査期間が明らかに長くなるのは、返戻(へんれい)医師照会が必要になるケースです。

返戻とは?

返戻とは、書類の不備や不足、追加提出が必要と判断された場合に、
提出した書類一式が返送され、必要事項の対応を求められることをいいます。

返戻があると、その時点で審査が中断されてしまうため、
対応が遅れるほど結果が出るのも遅くなります。

目安としては、返戻が1回入るだけで数週間~1ヶ月程度は審査期間が延びると考えておくとよいでしょう。


「返戻=不支給」ではありません

SNSなどでよく見かけるのが、
「返戻が来たら不支給になる」という話です。

確かに、返戻後の対応を経て不支給になるケースもあります。

しかし、返戻があっても支給になるケースは普通にありますし、
返戻がなくても不支給になるときは不支給になります。

つまり、返戻が来たからといって、それだけで不支給が決まるわけではありません。


返戻の内容には2種類あります

① 審査に影響しない返戻(単純な不備の修正)

例えば、

  • 記載漏れ
  • 書類の軽微な不備
  • 不足書類の提出

といったケースです。

この場合は「不備があるため処理が進まない」だけであり、指示どおりに対応すれば審査は進みます。
返戻自体が審査結果に影響することは基本的にありません。

② 審査に影響する返戻(初診日・等級に関する追加確認)

返戻の中には、初診日や障害状態の重さなど、権利発生や等級判断に関わる重要な内容が含まれることがあります。

この場合、審査側が「認定できるかどうか悩んでいる」状態であることも多く、
医師に問い合わせが入る医師照会が行われることもあります。

結果として支給になる場合もあれば、不支給になる場合もあり、ポジティブ・ネガティブ両方の可能性があります。

いずれの場合も、返戻が来たら内容をよく確認し、速やかに対応することが重要です。


返戻が複数回になると審査はかなり長期化します

審査側が本当に悩んでいる場合には、返戻が複数回行われることがあります。

このような場合は審査期間がかなり長くなり、半年を超えることもあります。

不安な期間が長くなってしまいますが、根気強く結果を待つ必要があります。

ただし、返戻は審査が止まっている状態でもあるため、
返戻への対応が遅れれば遅れるほど審査が長引くことになります。

返戻が届いた場合は、焦るだけでなく、内容を冷静に確認して対応するようにしましょう。


審査状況が気になる場合は電話で確認することも可能です

どうしても審査状況が気になるという方は、電話で審査状況を確認することも可能です。

ただし、審査状況といっても、

  • 審査中か
  • 審査が終了したか

程度の案内しか受けられず、結果そのものは教えてもらえません。

結果は、必ずご自宅に届く通知で確認することになります。

それでも、審査が終わったかどうかだけでも分かると安心につながることもありますので、
どうしても気になる場合は窓口へ相談してみてください。


まとめ:心構えとしては「3ヶ月以上かかる」と思って待つ

今回は、障害年金の審査期間について、

  • 標準は3ヶ月(ただし必ず3ヶ月以内ではない)
  • 明確な障害ほど早く、精神・内科・遡及は時間がかかりやすい
  • 返戻や医師照会があると大幅に遅くなる
  • 返戻=不支給ではない
  • 審査状況は電話で確認できるが結果は通知で確認する

というポイントを解説しました。

心構えとしては、「早く終わるかも」と思うほど不安が増えるため、
最初から3ヶ月以上はかかると思って待っておくとよいかと思います。

次回【第12回】は、年金証書の見方と実際の振込までのスケジュールについて解説します。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

2026年01月01日 10:00

2026年 新年のご挨拶

年始の挨拶2026

新年、明けましておめでとうございます。

旧年中は格別のご厚情と賜り、厚く御礼を申し上げます。

2026年もファーリア社会保険労務士法人は、引き続き皆様をしっかりサポートできるように、社会保険労務士業に取り組んでいきたいと存じます。

本年も皆様の心に寄添うサービスが提供できますよう、 より一層のサービス向上を職員一同心がけてまいります。

何とぞ昨年同様のご愛顧を賜わりますようお願い申し上げます。
本年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。

皆様のご健勝とご発展をお祈り申し上げます。

2026年01月01日 08:00
ファーリア社会保険労務士事務所
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